We stand alone together.


けいおん!』と『バンド・オブ・ブラザーズ』のクロスSSとかwww
俺得すぎるわw
ちゃんと完結してくれることを祈る。


唯「独り、立つ!!!」

--------1944年 6月 ノルマンディー地方 コタンタン半島-----------


暗雲たちこめる暗闇の空を空挺隊員を積んだC-47輸送機の群れが爆音を轟かせながら
大挙してドイツ軍の占領地上空を飛行している。


律「おい、澪。なにやってんだ?」


澪「見て分からないのか?降下マニュアルを読み返しているんだよ。」


律「いまさら?もう完全に体が覚えてるだろ。」


澪「それでも心配なんだよー。緊張して…」ガクガク


律「澪は昔から本番になるとあがっちゃうからなー。まあリラックスしなよ。」


澪「律はどうして緊張しないんだよ…」


律「私は、いつもなる様にしかならないと思ってるから緊張とかあまりしないかな。こんな性格だし。」


澪「うらやましいよ…。」


米第101空挺『K中隊』を乗せた輸送機は隊列後方に位置しており、降下時間が後の方なのでドイツ軍の反撃が予想され、隊員の多くは緊張の色を隠せないでいた…。


唯「見て見てー。あずにゃん。花火だよー。」


梓「違いますよ唯先輩。あれはドイツ軍の対空砲火じゃないですか!」


先行の空挺隊が降下を始めたらしい。雷鳴にも似た高射砲の爆発音が機体に響く。


唯「すごいねえ〜。私達もあそこに降りるんでしょ。」ワクワク


梓「唯先輩は緊張しなさすぎです! どうしてそんなに楽しそうなんですか!」


唯「だって、私達砲火後ティータイム(第一小隊の通称)が初めて作戦に参加するんだよ!今までの厳しい訓練の成果を見せる時なんだよ〜!」


梓「それは…」


唯「それに私、初めて外国にきたんだ〜。楽しみ〜。」


輸送航空機群にドイツ軍の阻止対空砲火が襲い掛かる。
K中隊を乗せたC-47の操縦士は友軍がもたらした情報をレシーバーから聞いており焦りを見せていた…


無線「こちら、121号機!機長及び乗員の大半が戦死した!!これより不時着水を試みる!!」


無線「211号機だが、エンジン全基が停止した!!隊列を離れるが可能な限り飛行する!!」


無線「メーデーメーデー!機体が炎に包まれている!!こちら332号機!!きたいg…---!!--(通信途絶)」


モブ機長「まずいな…!これじゃあ降下する前にくたばっちまうぞ…!!」


モブ副長「機長!!高度を上げましょう!!このままでは…!!」


モブ機長「駄目だ!空挺が降りれなくなっちまう!!」


その時前方の友軍機が高射砲に砲撃されて、炎に包まれた…!


モブ副長「危ない!!!」


モブ機長「畜生!!!」


機長は機体を急旋回させて友軍機をかわした。友軍機は機体中央から二つに折れて炎とジュラルミンと乗員を撒き散らしながら墜落した。
機長は堪らず空挺隊員に降下準備の合図を送った。


律「ようし!!レッドサイン確認!おーい!!みんな降下用意しろよー!」


第一小隊隊長である田井中律大尉が降下準備のサインである赤色灯を確認した。


律「総員立ってー!」


号令の元、隊員は起立し降下準備に備える。


律「降下用フック用意!!」


隊員はパラシュート用開傘フックをロープに掛けた。


律「持って来た装備を点検してー!」


降下用装備及び銃器その他戦闘用装具の点検。


律「よーし!点呼開始!!」


隊員は後ろから自分の降下順番号を点呼する


唯「五番OKだよ!律っちゃん!」


梓「よ…四番OKです!!」


澪「うう…三番OK…!!」


紬「二番OKよ〜♪」


律「一番OK!!…ってお前ら真面目にやれ〜!!」


空挺降下は規定のウェイポイントまで到達しないと出来ない。
従って、機長が降下の合図を送るまでは直立不動のまま待機しなくてはならない。


モブ副長「二番エンジン被弾!!!もう限界です!!」


モブ機長「おい!!大分自機を蛇行させてしまったが、この方角でいいんだよな!!?」


モブ副長「ええと…!!はい!この方向で…!」


ズダァァンッ!!!


その時、対空砲弾の破片が炸裂して副長の頭を吹き飛ばした


モブ機長「畜生…!!神様…!」


機長は降下開始の合図を送った。


律「よっしゃあああ!!!グリーン確認!いっくよ〜ん!!」


空挺隊は降下を開始した。


律「うっひゃー!!すっげえ阻止砲火!!澪の奴無事に降りてこれるかなあ?」


律が上を見上げてみると黒煙を噴いた輸送機から次々と隊員が吐き出されていくのが見えた。
砲火や墜落した輸送機の炎に照らされたパラシュート群はさながら地獄に次々と開花する花弁の様だった。


フランスの農家の敷地である葦原に律は降下した。


律「いててて…!お尻強く打っちゃった。」


律「ていうか、ここどこだよ…!?唯達もどっか行っちゃったし。」


予定では、農村サン・メリー・エグリーズ近郊の平原に降りる事になっていたが、律が降りたのは雑木林近くの背の高い草原だった。


ガサガサ…!!!
その時、近くの茂みから何者かが出てきた…!!


律「雷鳴!!」


モブ「くそっ…!」


律「おいおい、合図を間違えるなよ…。雷鳴の後は『閃光』だろ…?」


モブ「あ…すいません。せんこう!」


律「…。キミ、所属は?」


モブ「G中隊ですぅ…。通信兵なんですけど無線機を落としてしまって…。」


律「武器は?」


モブ「M1A1短機関銃一丁と…弾薬200発にナイフ…後は降下の衝撃でどっか落ちてしまいました…。」


律「そうなんだ…じゃあさ、ナイフだけ貸してくんない?」


モブ「へ…?」


律「実はさあ、アタシも装備全部落としちゃったんだよね〜///」


律と通信兵は葦原を掻き分けて降下した仲間達と合流するべく移動を開始した。


律「やばっ…!伏せて…!」


モブ「どうしました…!?」


律「見てみ。ドイツ軍の対空機銃だぜ…!見つかったらやばいよな…!」


モブ「どうしましょう…!?」


律「弾切れの瞬間を狙って走り抜けようぜ…! 3…2…1今だ!」


機銃の弾倉交換の隙を突いて律達は走り出した。


律「ふぅ…!さっきはヤバかったな。」


モブ「あの…もしかして、律先輩ですか…?」


律「へ…どっかで会ったっけ?」


モブ「いえ、私『放課後ティータイム』のファンですから…。」


律「ああ、バンドの方のか。まさかこんな所で会えるとはね。」


モブ「他のメンバーの方はどうしたんです?」


律「どうも、パイロットが滅茶苦茶な所に降ろした所為でみんなバラバラになっちゃったみたいなんだ。」


モブ「そうですか…私もG中隊からはぐれるしさんざんですよね…。」


律「本当だよな。さて、行こうか。」


律達は雑木林を抜けて農道を進んだ。
すると、小川にぶつかったため、茂みで小休止していると対岸から多人数の話し声が聞こえた。


律「…!敵かな…!?」


律は合図のための鳴子を二回鳴らしてみた。しかし、返答は無くすぐそばまで迫って来たため
通信兵は機関銃の引き金に指を掛けた。


コツッ…!コツッ…!
通信兵が射撃する前に返答は行われた。


ぞろぞろと現れたのは、82空挺部隊だった。


マキ「律っちゃん?律っちゃんじゃないの!?」


そこには中学時代の同級生であるマキちゃんがいた。


律「おおー。マキちゃん久しぶり〜。」


マキ「もしかして、律ちゃんも部隊とはぐれちゃったの?」


律「まあね。参ったよ。」


マキ「私達もバラバラになっちゃったしどうしたらいいか…」


律「そうだ、マキちゃん地図と雨合羽かして。」


マキ「いいけどどうすんの?」


地図と合羽を受け取ると律はズボンのチャックを下ろした。


マキ「ちょ…!!律っちゃん何をやって…///」


律は地図を広げ合羽を被り、取り出した小型のライトを点けた。敵にライトの光を見咎められるのを防ぐためだ。


陸標と近くにあった標識により現在位置を確認して、目的地までの距離を測る。


律「目標のユタ・ビーチまで7キロもあるじゃんか…。」


マキ「じゃあ、私達も一緒に行くね。」


律「うん。唯達とも合流しないとね。」


律達は暗闇の中移動した。


しばらく歩いていると線路が見えてきた。


モブ「こんな所に鉄道なんか走ってなかったぞ…?」


モブ「支線だろ…。規模が小さいから地図に載ってない。」


モブ「何で知ってるの?」


モブ「写真見て地形を暗記した。」


モブ「すげえwww」


声「閃光!」


マキ律《雷鳴!》


突然暗号と共に味方が現れた。


唯「律っちゃ〜ん!」


唯達だった。どうやら彼女らもはぐれてしまい、途中で合流したようだった。


つづく